又吉直樹原作の映画『劇場』は「なんのために生きるのか」を問う
画廊に飾られた作品に目を留めた男と女、男は女を誘うとするが金がなく諦めようとするが、二人は結局カフェで話をすることに。その男・永田は同級生と劇団を立ち上げた売れない劇作家、女・沙希は服飾学校に通う学生だった。 しばらくし
「男か女か」しかないことの意味は?『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき』を見てLGBTQを自分ごとにする。
子供の頃に自分の性別(女性)に違和感を覚え、赤いランドセルを拒否し、中学に入るとセーラー服を拒否し、性同一性障害の診断を得て男子生徒として通学することを認められた空雅が主人公のドキュメンタリー映画。女性からホルモン治療や
悲劇の偉大な芸術家『氷上の王、ジョン・カリー』、フィギュアと芸術とAIDSと世間と孤独
イギリス人の少年ジョン・カリーは、バレエを習いたいと思っていたが父親から反対され、スケートを習い始める。メキメキと上達した彼はフィギュアスケート選手として国際舞台に立つようになり、1976年インスブルック・オリンピックの
映画は退屈だが思想は過激、『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』が掲げる芸術による革命とは
第2次世界大戦後のドイツで活動した前衛芸術家のヨーゼフ・ボイスは思索は彫刻であるという思想をもとに、芸術で「社会を彫刻する」ことを目指した。大学の方針に背いて解雇されたり、緑の党の結党に参加するなどアーティストであると同
伝説のフラメンコダンサー『ラ・チャナ』は芸術の力で不平等を打ち破る
伝説のフラメンコダンサーと言われるラ・チャナは、14歳のときにおじのバンドに合わせて踊って才能を開花させる。映画に出演したことで人気ダンサーとなり、テレビ出演や世界ツアーなどをやるまでになるが、マネージャーの夫の反対で突
芸術家で教師『シーモアさんと、大人のための人生入門』から学べるのは人生というより哲学?
イーサン・ホークが出会った87歳のピアノ教師シーモア・バーンスタイン。彼の人柄に魅了されたイーサンは彼を主人公にしたドキュメンタリー映画を撮る。かつてはコンサートピアニストとして活躍し、今は優秀なピアノ教師として指導に当
水道民営化がもたらす地獄を描いた『ブルー・ゴールド』が教えてくれる水問題と貧困を解決するヒント
冒頭、砂漠で水無しで7日間を過ごし死亡したエピソードが流れる。水はそれだけ生物にとって欠かせないものだということだ。そして、その水がいま危機にあると指摘して物語が展開されていく。 物語の軸になるのは、水道の民営化によるグ
『未来の食卓』はオーガニック?子供たちの笑顔と農薬の恐ろしさの対比が意味するものとは。
フランス南部ガール県のバルジャック村では給食をすべてオーガニックにするという試みが始められた。化学物質による汚染が原因で癌の増加などの影響が不安視されるフランス、この試みは果たして成功するのか… 食の安全が重要なテーマと
遺伝子組み換えと放射能汚染、『世界が食べられなくなる日』がすぐ来るとしたらどうする?
遺伝子組み換え(GM)作物の話かと思ったら、映画は広島から始まる。この映画が扱うのは、GMと原子力(放射能)の2つ。その2つが人類の食料を聞きにさらしていると訴える内容だ。 物語の主軸となるのは、GM作物が動物に与える影
『ブラック・クランズマン』は楽しいサスペンス・コメディだが、人種差別と映画の100年を考えさせる映画でもある。
1979年、コロラド州コロラド・スプリングス、警察官募集(マイノリティ歓迎)の横断幕を見て警察官に応募した黒人のロン・ストールワースは、唯一の黒人警察官として見事に採用されるも退屈な仕事しか任されず、署長に潜入捜査をさせ