ジャーナリストが追い求める唯一の真実とは。『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』に見るウクライナ問題の深淵
1933年ロンドン、ロイド・ジョージ元首相の外交顧問を務める記者のガレス・ジョーンズは、大恐慌下にもかかわらず経済成長を続けるソ連の財源に疑問をいだいていた。奇しくも教皇の影響で解雇されたジョーンズは、スターリンに直接尋
震災から11年、楽しく映画を見て3.11と自分との距離を見つめ直す-『永遠の1分。』
2022年3月11日で東日本大震災から11年になる。あちこちで「風化」という言葉が聞かれるように、被災地から遠い人たちの中では震災の記憶は徐々に薄れていっている。 テレビでは、震災関連番組をやるだろうが、その数は減ってい
孤独に自転車を漕ぐウーバー配達員は「人と人のつながり」を生み出せるのか-『東京自転車節』
映像作家の青柳拓さんが、コロナ禍の東京で、Uber Eatsの配達員をする自分を撮影したセルフドキュメンタリー。 山梨で運転代行のアルバイトをしながら映像制作をしていた青柳監督だったが、コロナ禍でバイトがなくなり、550
アフガニスタンからヨーロッパへの5000キロをスマホで記録した『ミッドナイト・トラベラー』が突きつける私たちの無関心の“罪”
アフガニスタンの映像作家ハッサン・ファジリは制作したドキュメンタリーが原因でタリバンから死刑宣告を受ける。妻と二人の娘と隣国タジキスタンに逃れ、庇護を申請したハッサンだったが、申請は却下されアフガニスタンに戻ることになる
死を選ぶのはエゴか?複雑な問題を複雑なまま描く『ブラックバード』は安楽死をどう意味づけたか。
リリー(スーザン・サランドン)は病気で右手が麻痺し、体の他の部分も徐々に自由が効かなくなってきていた。週末、リリーと夫で医師のポールは二人の娘とその家族、リリーの親友リズを家に呼ぶ。リリーは尊厳死を望んでいて、死を前に大
必要なのは情報。新型コロナに襲われたクルーズ船の人々が教えてくれることー『ラスト・クルーズ』
新型コロナウイルス“COVID-19”が世界中で猛威を奮った2020年、その2月に横浜港を出発し、アジアを回ったクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号。船内で大規模なクラスターが発生し、世界的なニュースとなった。 その船に
震災で感じた動物の生死を人間が決めることの意味-『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』
宮城県出身の監督が、震災から一週間後、故郷を訪ねる。被災者たちにどう声をかけていいかわからない彼は、呆然と佇み、そこで見かけた犬の姿を見て、ペットたちも被災したことに気づく。そして、被災した動物たちがどうなっているのかを
原発事故で見つめ直す自然との関係、富岡町から避難せずに残った男と牛たちの物語『ナオトひとりっきり』
2011年3月11日の夜、福島第一原発の事故により周囲2キロの住民に対する避難指示が出された、その範囲は徐々に広がり12日には20キロ圏内まで拡大された。 震災当時、原発から12キロに位置する富岡町で暮らしていた松村直登
『ヘアスプレー』はシンプルに面白い青春映画であり、音楽が黒人差別を解消してきた歴史を物語る映画でもある。
2007年に製作されヒットしたミュージカル映画。公民権運動が盛り上がりを見せる1960年代の高校生の姿を描いた青春ミュージカルで、原案はジョン・ウォーターズによる1988年の同名映画。
又吉直樹原作の映画『劇場』は「なんのために生きるのか」を問う
画廊に飾られた作品に目を留めた男と女、男は女を誘うとするが金がなく諦めようとするが、二人は結局カフェで話をすることに。その男・永田は同級生と劇団を立ち上げた売れない劇作家、女・沙希は服飾学校に通う学生だった。 しばらくし