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すべてを失い、守られてきた少女の生きるための旅。『すずめの戸締まり』の迫力と私たちにも投げかけられる「生きる意味」。

宮崎県におばと暮らす高校2年生の岩戸鈴芽はある日、廃墟の扉を探しているという青年・宗像草太に出会う。知らないと嘘をついてしまった鈴芽は気になって廃墟の遊園地へと向かう。そこには扉があり、開けると星がまたたく夜の世界が広が
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感動するしかない、生きることに正面からぶつかり成長する被災した少女の物語-『風の電話』 #3.11-2023

9歳のとき、岩手県大槌町で東日本大震災で被災したハルは、両親と弟を津波で流され、広島県呉市に暮らすおばの広子に引き取られた。それから8年、高校3年生になったハルは広子と愛情で結ばれてはいるものの、どこか生気のない目で日々
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上質なサスペンスに乗せて、特権階級の無意識な差別と社会の断絶の本質を暴く-『パラサイト 半地下の家族』

町外れの半地下の家に暮らす4人家族のキム一家。両親は失業中、息子のギウと妹のギジョンは受験に失敗しフリーター生活を送っている。そんなギウに富豪のパク家の娘ダヘの家庭教師の仕事が舞い込む。その待遇の良さを知ったギウは、他人
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銃乱射事件の被害者と加害者の親同士の対話を描いた『対峙』が見せる赦すことの難しさ。

人里離れたところにぽつんと建つ教会、そこである会合の準備がされていた。やってきたのは二組の夫婦。片方の妻がおずおずと花を差し出し、他方の妻がそれを受け取る。ぎこちなさと緊張感を漂わわせたまま4人はテーブルを囲み対話を始め
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岸井ゆきのが表現する耳が聞こえないボクサーの世界、『ケイコ 目を澄ませて』は障害と社会のあり方のこれからを問う。

生まれつき耳が聞こえないケイコは下町のボクシングジムでトレーニングをしてプロボクサーとしてリングに立つ。普段はホテルで清掃員として働きながら弟と二人暮らし。ボクシングに生活のほぼすべてを捧げるケイコだったが、ある試合を機
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移住者と地元民、その対立を人間の内なる獣性を通して描いた心理スリラー『ザ・ビースト』[東京国際映画祭2022]

スペインの山奥の村に暮らすフランス人のアントワーヌとオルガの夫婦、数年前に移住し、有機農業で野菜を作りマルシェで売って暮らしている。しかし、村に持ち上がった風力発電計画に反対したことから、隣人のシャンとローレンの兄弟と折
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ルーツを探す旅の末に抱えた違和感が多様化する現代社会の問題を可視化する-『ソウルに帰る』[TOKYO FILMeX 2022]

ソウルのゲストハウスを訪れたフレディは、韓国人の両親のもとに生まれたが、赤ん坊の頃にフランスに養子に出され、初めて韓国を訪れた。生みの親を探す気などなかった彼女だが、友だちになったテナにハマンドという養子を斡旋する団体の
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貧しい国で女性はさらに貧しく、現代の奴隷は今も世界中にいる-『コンビニエンスストア』[東京国際映画祭2022]

モスクワの住宅街にある24時間営業の「コンビニエンスストア」。コンビニエンスストアと言いながら、酒から野菜から肉からなんでもある小型のスーパーという趣だ。そこで働くムハバットは同じ店員のベクと結婚したが、直後からまたは語