孤独に自転車を漕ぐウーバー配達員は「人と人のつながり」を生み出せるのか-『東京自転車節』
映像作家の青柳拓さんが、コロナ禍の東京で、Uber Eatsの配達員をする自分を撮影したセルフドキュメンタリー。 山梨で運転代行のアルバイトをしながら映像制作をしていた青柳監督だったが、コロナ禍でバイトがなくなり、550
アフガニスタンからヨーロッパへの5000キロをスマホで記録した『ミッドナイト・トラベラー』が突きつける私たちの無関心の“罪”
アフガニスタンの映像作家ハッサン・ファジリは制作したドキュメンタリーが原因でタリバンから死刑宣告を受ける。妻と二人の娘と隣国タジキスタンに逃れ、庇護を申請したハッサンだったが、申請は却下されアフガニスタンに戻ることになる
9.11に先んじてアフガニスタンを描いた映画『カンダハール』が示す価値観の衝突の意味
カナダに亡命したアフガン人ジャーナリストのナファス。20世紀最後の日食の日に自殺するという手紙を妹から受け取った彼女は、カンダハールにいる彼女を救うため、戦火のやまぬアフガニスタンに入り妹のもとへ向かう。まずはイラン国境
日本の民主主義とメディアの危機の深刻さが、『パンケーキを毒味する』が誰に向けた映画かわからないことから見えてくる
総理大臣就任直後、報道陣とパンケーキを食べたという菅首相。この菅義偉とはどういう人物なのか、この総理大臣のもと、今の日本はどのような状況にあるのか、今日本が迎えている危機を皮肉っぽく描こうとした映画。 映画の序盤の菅義偉
東ティモールは過去を精算し未来へと向かえるか?悲劇の30年を体現する『アブドゥルとジョゼ』から見えてくるもの
2002年に独立した東ティモールは1975年からインドネシアに併合されていた。このあたりの歴史については、『平和への道』に詳しいのでまずはぜひ見てほしいが、あわせてみたいのがこの映画『アブドゥルとジョゼ』だ。 このアブド
未来への希望を見せてくれる東ティモールの女性たちの闘い-『ローザの旅』『女たちの闘い』
東ティモールの現代史を理解する上で重要な年号は、1975年のインドネシアによる侵略、1999年の住民投票、そして2002年の独立だ。独立した今も、その前の次代の影響が影を落とす東ティモール、そこで生きる女性たちを描いた映
わたしたちは東ティモールのことを何も知らない、彼らの苦しみはわたしたちのせいでもあるのに。-東ティモールの独立までを描いた映画『平和への道』
東ティモールについて知っていることといえば、比較的最近独立したこと、それまで紛争が続いていたこと、コーヒーが有名なこと、くらいかもしれない。 そんな東ティモールについてのお祭り東ティモールフェスタ2021の一環で東ティモ
死を選ぶのはエゴか?複雑な問題を複雑なまま描く『ブラックバード』は安楽死をどう意味づけたか。
リリー(スーザン・サランドン)は病気で右手が麻痺し、体の他の部分も徐々に自由が効かなくなってきていた。週末、リリーと夫で医師のポールは二人の娘とその家族、リリーの親友リズを家に呼ぶ。リリーは尊厳死を望んでいて、死を前に大
必要なのは情報。新型コロナに襲われたクルーズ船の人々が教えてくれることー『ラスト・クルーズ』
新型コロナウイルス“COVID-19”が世界中で猛威を奮った2020年、その2月に横浜港を出発し、アジアを回ったクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号。船内で大規模なクラスターが発生し、世界的なニュースとなった。 その船に
震災で感じた動物の生死を人間が決めることの意味-『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』
宮城県出身の監督が、震災から一週間後、故郷を訪ねる。被災者たちにどう声をかけていいかわからない彼は、呆然と佇み、そこで見かけた犬の姿を見て、ペットたちも被災したことに気づく。そして、被災した動物たちがどうなっているのかを