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60年代に音楽で社会と戦ったニーナ・シモンが教えてくれる「自由とはなにか」-『ニーナ・シモン 魂の歌』

1950年代から活躍した黒人女性ミュージシャン、ニーナ・シモンの生涯を描いたドキュメンタリー映画。 ニーナ・シモンは南部の貧しい家庭に生まれるが、ピアノの才能を見いだされ、黒人女性初のピアニストになるべくジュリアード音楽
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あくまでフィクションだからこそ考える入口になる。『新聞記者』の賛否が分かれることの意味とは。

東京新聞の望月衣塑子記者を撮ったドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』を見て、これは見なければと遅ればせながら『新聞記者』を観た。 この作品は、望月衣塑子さんのノンフィクションを原案に、シム・ウンギョンと松坂
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障害者の遅れてきた思春期を描いた傑作ドラマ『37セカンズ』で、私が気づいたのは自分の心にある“距離”。【東京国際映画祭2019】

脳性麻痺の影響で車椅子生活を送る23歳のユマは、親友のマヤカと2人で漫画を描いて人気を得ていた。ただ、表舞台に出るのはマヤカで漫画を書くのはユマ、マヤカはユマの存在をファンの目から隠していた。 ユマは自分の作品でデビュー
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ノリウッドはナイジェリアの未来を明るく照らす?アートで未来を切り開く若者を描いた『緑・白・緑』

ナイジェリアは今や世界で最も多く映画が作られている国で、その製作本数は2000本以上とも言われます。日本ではなかなか見れないのですが、Netflixにあったので、そのうちの1本『緑・白・緑~モザイクに輝くダイヤ~』を見て
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展開の読めないドキュメンタリーが観る側の心理をえぐる。記憶喪失になった双子の兄弟になぜ事実を隠したのか。-『本当の僕を教えて』

18歳で片割れが記憶喪失になった双子に35年後にインタビューを行い作られたNetflixオリジナルドキュメンタリー作品。2人が語る過去も驚きだが、映画はその裏にあるさらなる驚きの事実を明らかにしていく。 あらすじ 交通事
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ドキュメンタリー映画はスリリングな方が面白い。ロシアのドーピング渦を間近で体感する-『イカロス』

自転車のアマチュアレースに参加するブライアンは、自転車競技の英雄ルイス・アームストロングのドーピングに衝撃を受け、自分もレースでドーピングをしてもばれないかどうか実験してみることにする。 3ヶ月に渡り実験を行い、レースに
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アジアと欧米で異なるLGBTと家族の関係。NY在住の中国人ゲイカップルが子どもを持ったら?-『僕の家族のすべて』

NY在住のゲイの中国人と家族の関係を描いたNetflix制作の40分の中編ドキュメンタリー。 ハオ・ウーは20年前に中国を出てアメリカに移り住み、今はパートナーのエリックと代理母出産で子どもを迎える準備をしている。ハオは
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セクシャリティを自分に問う“Q”から始まる他者理解。ブラジルのLGBTQを描いた『ラエルチのすべて』

ブラジル人の漫画家ラエルチはMtoFのトランスジェンダー。60歳近くになって女性になり、子どもと孫もいる。ドキュメンタリー映画『ラエルチのすべて』はそのラエルチへのインタビューと作品からブラジルでトランスジェンダーである