遺伝子組み換え(GM)について考える出発点になる映画『モンサントの不自然な食べもの』
フランスのジャーナリスト、マリー=ドミニク・ロバンが遺伝子組み換え食物(GMO)の最大手企業モンサントについてインターネットと関係者へのインタビューで調査を行い、その真の姿を明らかにしようとする。 モンサントはもともと化
『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』の既視感と、戦う上での繰り返しの大事さ
ジェレミー・セイファート監督のセルフドキュメンタリー『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』はタイトル通り、遺伝子組み換え食品とは何なのかを追求したドキュメンタリー映画です。 GMのことを誰も知らない 追求とは言っても、タイ
『サーミの血』で先住民の若者から学ぶ、われわれ文明人の問題点とは
老境を迎えたクリスティーナは妹の葬儀のために息子と孫と数十年ぶりの帰郷を果たす。息子たちが溶けこもうとするのに反し、クリスティーナは故郷のサーミ人たちを「嘘つきばかり」と罵り、一人ホテルに泊まる。そこでクリスティーナは故
映画でも詩でも幻想を形にするのがアート、『エンドレス・ポエトリー』が示すホドロフスキーのアートの原点
チリの田舎町トコピージャから首都サンティアゴへ移住したホドロフスキー一家、思春期を迎えたアレハンドロは詩の魅力に引き付けられるが、父親には医者になるように言われる。母方の家族の集まりで不満を爆発させたアレハンドロはいとこ
『リアリティのダンス』犬とフリークスに埋め尽くされたホドロフスキー監督の心象風景が現代の私たちに投げかける警句とは
金髪の少年がサーカス小屋につれてこられる。少年は両親が営む商店「ウクライナ」で暮らす。父親は息子を男にしようと床屋に行き、かつらを外させ、頬を殴る。母親は歌う。消防団のマスコットになる。 ホドロフスキー監督の少年時代であ
『真珠のボタン』で西パタゴニアの先住民が投げかける「人間の愚かさ」の起源
パトリシオ・グスマン監督が『光のノスタルジア』から5年後に撮った続編的な作品。『光のノスタルジア』ではチリ北部のアタカマ砂漠が舞台でしたが、今度は最南端の西パタゴニアが舞台。そこにもチリの悲劇の跡があり、グスマン監督はそ
『光のノスタルジア』の圧倒的な映像美とチリの悲劇の歴史、そして時間と存在への哲学的疑問
パトリシオ・グスマン監督は1975年から78年にかけて『チリの戦い』という3部構成の政治ドキュメンタリーを手掛けた映画監督です。こちらの『光のノスタルジア』は歴史もモチーフにしながら、監督が興味を持つ宇宙をテーマに「過去
女たちのよもやま話にパレスチナのリアルを感じる『ガザの美容室』
パレスチナのガザにある小さな美容室。今日もたくさんの女性が詰めかけている。夫と離婚調停中の中年女性、結婚式を控えた若い娘とその家族、出産間近の妊婦とその妹、ヒジャブをかぶった信心深い女性などが髪を切られながら、自分の順番
絶望の中から立ち上がるのに必要なものを教えてくれる、ISに破壊された町に生まれた『ラジオ・コバニ』の物語
死が当たり前の風景 シリア北西部の町コバニでラジオ局を立ち上げたディロバン・キコは、手作りのスタジオからニュースや音楽、インタビューをまちに届けています。コバニはISによる攻撃を受け壊滅状態、ディロバンも大学に進学予定だ
嘘は罪か『作家、本当のJ.T.リロイ』が投げかける創作の嘘と不寛容な社会への疑問
20代の女性ローラ・アルバートは自分の中でターミメーターと言う少年を作り出し、心療内科に電話相談をしていた。医者のすすめで文章を書いてみるとそれが居者や作家に評価される。ローラはその後結婚し子供も生まれ安定していたが、あ