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12月1日は映画の日。
毎月1日の「映画の日」とは異なり、年に1度の映画の日です。なんでも1896年の11月の末に日本で初めて映画が公開されたので、切りのいい12月1日を映画の日にしようということで決まったらしいです(出展:Wikipedia)。なんとなく今日はですます調です。

つまり、日本の映画の歴史は120年を数える事になったわけです。日本で作られるようになったのは1898年だとも言われていますが、まあそれでも120年くらいということです。
そんな映画の日なので、昔の映画を観ることについて少し考えました。「昔の日本映画なんて映画マニアが観るもの」という考えの人も多いと思います。まあ、実際にそうなのでしょう。でも、文学の古典も読んでみると面白いものがあるように、昔の映画も観てみると面白いものがあります。
ということで、ここで、小津安二郎監督の『生れてはみたけれど』を観てください。1932年の作品。長さは90分ほどあります。ちなみにサイレント映画です。

どれくらいの人が全編を見たのかはわかりませんが、本当に観てみると、80年以上前のしかもサイレント映画なのに面白く観れるんだと思うと思います。
子供たちが生き生きとしていて楽しい映画だなぁと私は思いました。戦後の小津の映画しか観たことのない人だと、こんなに動きのある映像を撮っていたのだと思うかもしれません。

まあ、内容については今日はいいです。面白いなと思っていただければ。

この映画がYouTubeで見れてしまうのは、パブリックドメインのおかげです。パブリックドメインはご存じの方も多いかと思いますが、著作権の切れた文学や音楽や映画を誰でも自由に見たり囲繞したり出来るようなものです。文学でいえば青空文庫がそれで、その映画版の1つをご覧いただいたわけです。
どんな映画が観られるのかというと、文学の場合著者の死後50年経てばということでわかりやすいんですが、映画の場合、2003年に著作権法が改正され、著作権の存続期間が50年から70年に変更された関係で、1954年以前の映画が対象です。この『生れてはみたけれど』は1932年の作品なので全く問題ありません。
さらに言うと、旧著作権法の関係で監督が1966年以降になくなっている場合、著作権が存続している可能性があります。なので、1954年までの小津の作品は問題ないですが、黒澤明、成瀬巳喜男などは疑問符がつきます。溝口健二は大丈夫です。このあたりの処理はなかなか難しいので、少しずつ紹介していければと思っています。

映画の日になぜこのようなことを話しているかというと、映画と社会の関係を考えるときに、映画の伝統について知っておくことは重要だと思うからです。パブリックドメインの主旨も、時間がたった作品は後世の人達の役に立つために無料にしようということなのだと思います。せっかく無料なのだから、観て色々勉強していただきたいのです。

ソーシャルシネマという場合、ドキュメンタリーが多くなると思います。ドキュメンタリーというのは現実をそのまま切り取ったものではありますが、その見せ方には色々な有り様があります。パブリックドメインに保存された戦中の記録映画をみて、何を思うでしょうか?当時の人達と同じく意気揚々になるのか、それとも映画の裏にある悲劇に心痛めるのか、誤謬に考えさせられるのか。過去から学ぶことで今が見えてくるのではないでしょうか。

映画の日ということでつらつらと考えたことを書いてしまったのでまとまっていませんが、興味を持った人には是非、亀井文夫監督の『戦ふ兵隊』を観てほしいのですが、ネット上には見つからなかったので、買うか借りるしかないようです。この作品は上映禁止になるなどいろいろな意味で映画史に残る作品です(参考記事はこちら)。

同監督の作品で、YouTubeで見つけられたのは『上海』で、『戦ふ兵隊』とくらべてみると発見があると思うので、貼っておきます。

他にも、円谷英二が特撮を担当した山本嘉次郎監督の『雷電隊出動』などもあったので、興味のある方はどうぞ。

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12月1日は映画の日。 毎月1日の「映画の日」とは異なり、年に1度の映画の日です。なんでも1896年の11月の末に日本で初めて映画が公開されたので、切りのいい12月1日を映画の日にしようということで決まったらしいです(出展:Wikipedia)。なんとなく今日はですます調です。 つまり、日本の映画の歴史は120年を数える事になったわけです。日本で作られるようになったのは1898年だとも言われていますが、まあそれでも120年くらいということです。 そんな映画の日なので、昔の映画を観ることについて少し考えました。「昔の日本映画なんて映画マニアが観るもの」という考えの人も多いと思います。まあ、実際にそうなのでしょう。でも、文学の古典も読んでみると面白いものがあるように、昔の映画も観てみると面白いものがあります。 ということで、ここで、小津安二郎監督の『生れてはみたけれど』を観てください。1932年の作品。長さは90分ほどあります。ちなみにサイレント映画です。 どれくらいの人が全編を見たのかはわかりませんが、本当に観てみると、80年以上前のしかもサイレント映画なのに面白く観れるんだと思うと思います。 子供たちが生き生きとしていて楽しい映画だなぁと私は思いました。戦後の小津の映画しか観たことのない人だと、こんなに動きのある映像を撮っていたのだと思うかもしれません。 まあ、内容については今日はいいです。面白いなと思っていただければ。 この映画がYouTubeで見れてしまうのは、パブリックドメインのおかげです。パブリックドメインはご存じの方も多いかと思いますが、著作権の切れた文学や音楽や映画を誰でも自由に見たり囲繞したり出来るようなものです。文学でいえば青空文庫がそれで、その映画版の1つをご覧いただいたわけです。 どんな映画が観られるのかというと、文学の場合著者の死後50年経てばということでわかりやすいんですが、映画の場合、2003年に著作権法が改正され、著作権の存続期間が50年から70年に変更された関係で、1954年以前の映画が対象です。この『生れてはみたけれど』は1932年の作品なので全く問題ありません。 さらに言うと、旧著作権法の関係で監督が1966年以降になくなっている場合、著作権が存続している可能性があります。なので、1954年までの小津の作品は問題ないですが、黒澤明、成瀬巳喜男などは疑問符がつきます。溝口健二は大丈夫です。このあたりの処理はなかなか難しいので、少しずつ紹介していければと思っています。 映画の日になぜこのようなことを話しているかというと、映画と社会の関係を考えるときに、映画の伝統について知っておくことは重要だと思うからです。パブリックドメインの主旨も、時間がたった作品は後世の人達の役に立つために無料にしようということなのだと思います。せっかく無料なのだから、観て色々勉強していただきたいのです。 ソーシャルシネマという場合、ドキュメンタリーが多くなると思います。ドキュメンタリーというのは現実をそのまま切り取ったものではありますが、その見せ方には色々な有り様があります。パブリックドメインに保存された戦中の記録映画をみて、何を思うでしょうか?当時の人達と同じく意気揚々になるのか、それとも映画の裏にある悲劇に心痛めるのか、誤謬に考えさせられるのか。過去から学ぶことで今が見えてくるのではないでしょうか。 映画の日ということでつらつらと考えたことを書いてしまったのでまとまっていませんが、興味を持った人には是非、亀井文夫監督の『戦ふ兵隊』を観てほしいのですが、ネット上には見つからなかったので、買うか借りるしかないようです。この作品は上映禁止になるなどいろいろな意味で映画史に残る作品です(参考記事はこちら)。 同監督の作品で、YouTubeで見つけられたのは『上海』で、『戦ふ兵隊』とくらべてみると発見があると思うので、貼っておきます。 他にも、円谷英二が特撮を担当した山本嘉次郎監督の『雷電隊出動』などもあったので、興味のある方はどうぞ。