パレスチナでも若者は恋をする、パレスチナを身近に感じさせるサスペンス『オマールの壁』
アメリカが大使館をエルサレムに移したことを発端にして、パレスチナで多くの死者が出ることになった。緊張が続くパレスチナでは、どんな小さなものでもきっかけさえあれば衝突が表面化し、死者が出る。そのニュースは日本でも報じられた
『ふたりの死刑囚』は社会の犠牲者か?拘禁の過酷さと司法制度への疑問。
東海テレビのドキュメンタリーはこれまでいくつも紹介してきましたが、色々な試みの一つとして、今回まとめて電子書籍にしてみることにしました。内容はここに載せているのとほとんど変わらないので、多少読みやすくなった以外の意味はな
マック赤坂の真実を知ると、泡沫候補が多様な社会の代弁者に見えてくる。『立候補』
昔から、泡沫候補と言われる人たちのことが気になっていた。マック赤坂、羽柴誠三秀吉、又吉イエス、秋山祐徳太子、古くは赤尾敏。 なぜなのか考えたことはなかったけれど、とにかく気になっていた。彼らに投票することは決してなかった
観察映画を観察するとわからなくなる自分と世界との境界ー『港町』
ドキュメンタリー映画『港町』は、想田和弘監督が前作『牡蠣工場』の撮影の時に出会った老人を撮っているうちに出来上がった映画だ。想田監督は自分の作品を”観察映画”のシリーズとして発表していて、この作品も「観察映画第7弾」と題
謎めいた写真家が”物語”を切り取ったのは何のためか。折り重なる物語をどう切り取るか。ー『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』
何かアート系のドキュメンタリーがみたいなと思って、写真も好きだし、謎めいた写真家というのも面白そうだしというので何の気なしに見はじめたのだけれど、観てみたら今まさに問題意識として持っている“物語”についての映画で色々考え
食べるという行為は人と世界の関わりを象徴的に示すー『聖者たちの食卓』
ただただ淡々と何かをする人たち この映画は、インドの寺院で沢山の人が一緒に食事をとる風景をナレーションも解説もなく映したものだ。 ただ、映画は田園風景で始まり、何の説明もないのでここがどこなのかもわからないし、予備知識が
バンクシーは社会に理想の世界の夢を見させる。『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
ソーシャルという言葉はいろいろな意味で使われています。基本的には「社会」を意味するわけですが、本来的に「社交」という意味も持つし、「社会的な」という言葉自体も広がりを見せていて、パブリック、つまり公衆のという意味に近づい
「印象操作」は社会を変えるか、ガエル・ガルシア・ベルナルが80年代の広告マンを演じる『NO』
私はここで「ソーシャルシネマ」などと銘打って「ソーシャル」について偉そうに語っているわけですが、「社会を変えたい」とか思っているわけでは決してありません。 ただ、自分が関心がある社会課題についてより多くの人に関心を持って
エドワード・スノーデンと「共謀罪」、プライバシーと民主主義ー『シチズンフォー スノーデンの暴露』
テロ等準備罪に加計学園、忘れられつつある森友学園といろいろ、なんとも嫌になる政治ニュースばかりで、半ばあきらめ気分の今日このごろですが、そんなことではいけないと思って、「共謀罪」について考える材料になるかと、前から気にな
沖縄の歴史は陵辱の歴史。アメリカ人監督が見たのは沖縄の“傷”ー『沖縄 うりずんの雨』
5月15日は沖縄の本土復帰の日、今年で45周年を迎えた。しかし今も沖縄では米軍基地が問題になり続け、問題は複雑化して、解決の糸口がつかめない。基地問題を扱った映画もいくつもあるけれど、その多くはどちらか一方の立場を主張す