【追悼:アニエス・ヴァルダ】フレームを変えれば現実は肯定できる、若い写真家とアニエス・ヴァルダの肯定の旅。『顔たち、ところどころ』
アニエス・ヴァルダが亡くなったことがあまりに話題にならないことに正直驚いています。そんなに知られてない監督だったんだねぇと。まあ、今どきヌーヴェル・ヴァーグの映画なんて観たことある人のほうが少数なのかもしれません。「映画
【追悼:アニエス・ヴァルダ】人生の断片を敷き詰めた自伝的映画『アニエスの浜辺』から見えるヴァルダの魅力と退屈さの深み。
2019年3月29日に亡くなった映画監督アニエス・ヴァルダ。私も大好きな映画監督の一人でした。 しかし、意外と日本では知られていないのか、VODで映画を観られるわけでもなく、レンタルDVDも限られた作品しかなく、DVD化
個が消失することの高揚感と神輿の不思議な力、映画『Mikoshi Guy 祭の男』
『Mikoshi Guy』というタイトルを見て何を思いますか?とにかくお神輿を担ぐのが好きな男?どうして英語?なのとか? 神輿って日本で暮らしていればほとんどの人が目にしたことがあるものだと思います。でも、実際に毎年お祭
死者を抱えることの意味、映画『盆唄』の「想起させる力」。
東日本大震災から8年が経ちました。毎年3月11日にはいろいろなことを考えます。今年もいろいろ思い出す中で、比較的最近見た映画『盆唄』のことを考えました。 東日本大震災の捉え方は人それぞれだと思います。ただ、直接の被害にあ
縄文“ブーム”は始まったばかり。『縄文にハマる人々』から見える縄文にハマったほうがいい理由。
今年2018年もいろいろなものが流行りました。まあもうほとんど思い出せませんが。 今年流行ったと言えるものの中で唯一、私がハマったのが「縄文」です。「え?縄文なんて流行った?」という人もいるかも知れない、というか多いとは
自分らしさと社会:映画『ジェンダーマリアージュ』が投げかけるのは、「あなたは何者か」という問い。
今年も残りわずかとなりました。「今年は全然ブログ書けなかったな」などと例年通りの反省をしながら今年を振り返ってみると、今年も”多様性”がずっと頭に引っかかっていたかななどと思いました。 直近では、外国人労働者に関していろ
タイニーハウスは何かが欠けているからうまくいく。ー『Simplife』
「タイニーハウス」って聞いたことありますか? 私は取材がきっかけでタイニーハウスを知ることになり、ここ何年か興味を持ち続けています。今回紹介するのは、取材で知り合ったタイニーハウスビルダーの竹内友一さんがプロデュースした
「おっさんずラブ」ではLGBTへの偏見はなくならない?ー『メゾン・ド・ヒミコ』
ドラマの「おっさんずラブ」が人気だったそうで、少し前には把瑠都さんが主演の「弟の夫」も話題になっていたし、昨今のLGBTへの意識喚起を受けて、いよいよゲイもののドラマは市民権を得てきたのかなという感じはしますね。「おっさ
独裁国家を成り立たせる大きな物語は小さな物語によって破られる。ー『独裁者と小さな孫』
もう20年近く前になるだろうか、『サイクリスト』を観たときからモフセン・マフマルバフが好きで、の時に読んだ『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない、恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』はいまだに心の深いところに残る一
私たちの世界は広がっただろうか?『パラダイス・ナウ』を観て、パレスチナと自分のこの10年を振り返る。
uplink cloudでパレスチナ人監督ハニ・アブ・アサドの2作品を無料公開しているとのことで、先日『オマールの壁』を観ましたが、もう1本の『パラダイス・ナウ』も観ることにしました。この作品は以前(調べたら2008年で