kareragahonkide
© 2017 「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

『かもめ食堂』などの荻上直子監督の最新作『彼らが本気で編むときは、』が来年公開される。

この作品は、生田斗真 がトランスジェンダーのリンコを演じ、その恋人の桐谷健太演じるマキオとその姪っ子のトモの3人が送る暮らしを映画いたものだ。
この作品以前にもLGBTをテーマにした映画やドラマと言うものはあり、例えば犬童一心監督の『メゾン・ド・ヒミコ』などは素晴らしい作品だった(参考記事)。
社会的にも、渋谷区などで同性パートナー条例が成立するなどLGBTを1つの多様な生き方として認める動きがある。

しかし、それでも私たちの大半はLGBTを「私たちと同じ」とは依然として感じていないと思う。

という文章に違和感を覚えない人はまさにそうだ。「私たち」というのは異性愛者のことだが、異性愛者を「私たち」と言ってしまう時点で、LGBTは私たちではないと言っていることにもなるわけだから。このような意識に上らない差別と言うものが存在している以上、なかなか差別が差別として表面化する事態も減っていかないのではないだろうか。

荻上監督自身、アメリカで生活した経験から日本とのセクシャルマイノリティの受け入れ方の違いを感じ、この映画を作ることを考えたようだ。アメリカが全て素晴らしいというわけではないが、多様性を認める社会という観点から言うと、日本の現状はLGBTへの理解が進んでいるとはいいがたく、もっと人々の理解が進んでほしいと思う。

そんな中で、生田斗真という「イケメン」俳優がトランスジェンダーを演じる。イケメンが「女性」を演じるということで話題になると思うが、ビジュアルをみると、いわゆる「女性」とは言い切れない外見であり、しかし同時に美しくもみえる。それは彼がイケメンだからで、そこに男性/女性とは何か、美しさとは何か、私たちが心惹かれる異性/同性の外見とは一体何なのか、というようなセクシャリティの多様性の問題の根本が浮かび上がってくれば、これまでのLGBT映画とは別の角度からこの問題について考えることが出来るような気がする。

実際にどのような内容の作品になるかは観てないのでわからないわけだが、イケメン目当てに見に行った人たちが、彼らのようなあり方を自分たちと変わらないと感じるような作品であってほしいと思うし、中心となる3人の葛藤から何か学べるものがあったらとも思う。

https://i0.wp.com/socine.info/wp-content/uploads/2016/11/kareragahonkide.jpg?fit=342%2C470&ssl=1https://i0.wp.com/socine.info/wp-content/uploads/2016/11/kareragahonkide.jpg?resize=150%2C150&ssl=1ishimuraNewsLGBT
© 2017 「彼らが本気で編むときは、」製作委員会 『かもめ食堂』などの荻上直子監督の最新作『彼らが本気で編むときは、』が来年公開される。 この作品は、生田斗真 がトランスジェンダーのリンコを演じ、その恋人の桐谷健太演じるマキオとその姪っ子のトモの3人が送る暮らしを映画いたものだ。 この作品以前にもLGBTをテーマにした映画やドラマと言うものはあり、例えば犬童一心監督の『メゾン・ド・ヒミコ』などは素晴らしい作品だった(参考記事)。 社会的にも、渋谷区などで同性パートナー条例が成立するなどLGBTを1つの多様な生き方として認める動きがある。 しかし、それでも私たちの大半はLGBTを「私たちと同じ」とは依然として感じていないと思う。 という文章に違和感を覚えない人はまさにそうだ。「私たち」というのは異性愛者のことだが、異性愛者を「私たち」と言ってしまう時点で、LGBTは私たちではないと言っていることにもなるわけだから。このような意識に上らない差別と言うものが存在している以上、なかなか差別が差別として表面化する事態も減っていかないのではないだろうか。 荻上監督自身、アメリカで生活した経験から日本とのセクシャルマイノリティの受け入れ方の違いを感じ、この映画を作ることを考えたようだ。アメリカが全て素晴らしいというわけではないが、多様性を認める社会という観点から言うと、日本の現状はLGBTへの理解が進んでいるとはいいがたく、もっと人々の理解が進んでほしいと思う。 そんな中で、生田斗真という「イケメン」俳優がトランスジェンダーを演じる。イケメンが「女性」を演じるということで話題になると思うが、ビジュアルをみると、いわゆる「女性」とは言い切れない外見であり、しかし同時に美しくもみえる。それは彼がイケメンだからで、そこに男性/女性とは何か、美しさとは何か、私たちが心惹かれる異性/同性の外見とは一体何なのか、というようなセクシャリティの多様性の問題の根本が浮かび上がってくれば、これまでのLGBT映画とは別の角度からこの問題について考えることが出来るような気がする。 実際にどのような内容の作品になるかは観てないのでわからないわけだが、イケメン目当てに見に行った人たちが、彼らのようなあり方を自分たちと変わらないと感じるような作品であってほしいと思うし、中心となる3人の葛藤から何か学べるものがあったらとも思う。 Amazon.co.jp ウィジェット
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