高齢者に生死の選択を迫る社会を描いた『PLAN75』が浮き彫りにする孤立と断絶の行く末
高齢化対策として、満75歳から自分の生死の選択権を与える制度「PLAN75」が施行された近未来、夫と死別し一人暮らしの角田ミチはホテルの清掃員として働きながら慎ましやかに暮らしていた。しかし、あるきっかけで仕事を失い、住
障害者の働き方は共生社会への道標、『チョコレートな人々』が形作るよりよい未来とは。
愛知県豊橋市に本店を構える「久遠チョコレート」は全国に拠点を持つ人気のチョコレート店。その始まりは2003年に代表の夏目浩次さんが始めた小さなパン屋でした。障害者の賃金の低さに衝撃を受けた夏目さんは、障害者にも最低賃金を
ルーツを探す旅の末に抱えた違和感が多様化する現代社会の問題を可視化する-『ソウルに帰る』[TOKYO FILMeX 2022]
ソウルのゲストハウスを訪れたフレディは、韓国人の両親のもとに生まれたが、赤ん坊の頃にフランスに養子に出され、初めて韓国を訪れた。生みの親を探す気などなかった彼女だが、友だちになったテナにハマンドという養子を斡旋する団体の
「おっさんずラブ」ではLGBTへの偏見はなくならない?ー『メゾン・ド・ヒミコ』
ドラマの「おっさんずラブ」が人気だったそうで、少し前には把瑠都さんが主演の「弟の夫」も話題になっていたし、昨今のLGBTへの意識喚起を受けて、いよいよゲイもののドラマは市民権を得てきたのかなという感じはしますね。「おっさ
マック赤坂の真実を知ると、泡沫候補が多様な社会の代弁者に見えてくる。『立候補』
昔から、泡沫候補と言われる人たちのことが気になっていた。マック赤坂、羽柴誠三秀吉、又吉イエス、秋山祐徳太子、古くは赤尾敏。 なぜなのか考えたことはなかったけれど、とにかく気になっていた。彼らに投票することは決してなかった
選択を許されなかった、すべての虐げられた人々に捧げられた映画『ムーンライト』
アカデミー賞で作品賞を受賞した『ムーンライト』。 アカデミー賞も、昨年の受賞者が白人ばかりだったりして、今年も『ラ・ラ・ランド』が最有力と言われる中、ほぼ100%黒人しか出演していないこの映画が獲ったということは、映画の
AbemaTVで、ダウン症テーマのエミー賞受賞ドキュメンタリー「Born This Way」放映
3月21日は、国際連合が2012年に国際デーとして制定した「世界ダウン症の日」。その日付の理由は、ダウン症の人の多くが、21番目の染色体が1本多い3本になっているからだとか。 この日に合わせ、さまざまなイベントが行われる
LGBTにダウン症、差別との闘いを無にしないために、『チョコレート・ドーナツ』を世界ダウン症の日に観る。
今日は「世界ダウン症の日」ということなので、ダウン症に関係する映画は何か無いかと探して思い出した『チョコレート・ドーナツ』を紹介します。 舞台は1979年のアメリカ、自分がゲイであることを押し殺して来たと思われるポールが
都市の周縁部の人々から「多様性」の意味を探る-『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』
ベルリン映画祭で金熊賞を受賞した『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』が話題になっているジャンフランコ・ロージ監督、このロージ監督がヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞して注目を集めた作品がこの『ローマ環状線、めぐり
林真須美、麻原彰晃の弁護士を追った映画『死刑弁護人』が問う「死刑」の意味
あなたは「死刑」について真剣に考えたことがあるだろうか?ニュースなどでは「死刑」という言葉に日々接していても、その意味を真剣に考えたことはあまりないのでは無いだろうか。 今回取り上げる『死刑弁護人』は「死刑」の意味につい