気候変動は「肉食」のせい?環境保護のタブーに切り込むドキュメンタリー『Cowspiracy』を賛同できなくても観るべき理由
私が映画、特にドキュメンタリー映画を見ることの理由の一つに、声なき人の声を聞くことがあります。そのことについては別のところで少し書きました。 そして、声を聞くという意味では声が届かない人たちはもちろんですが、日常ではあま
香港の民主化運動に共感せざるを得ない!十代が本気で社会を変える物語『ジョシュア』
香港で今起こっている民主化運動である「雨傘運動」とは一体どのような運動なのか、どんな歴史的な背景があり、なぜ彼らはあんなにも必死なのか、香港のニュースをあまり注視してこなかった私にはよくわかりませんでした。 そんな時に出
【戦争を「思い出す」ために】『私は貝になりたい』(1959年版)
今年も終戦記念日がやってきました。毎年この日にはやはり戦争のことを考えます。今日は、みなさんが戦争について考える一助になればと思い、2009年に書いた『私は貝になりたい』(1959年版)についての記事をほぼそのまま掲載し
【平成ソーシャルシネマ史】僕らの平成は『ゼイリブ』から始まった
平成が終わり、令和が始まってしばらく経ちましたが、「ソーシャルシネマ」という視点から平成を振り返ってみようと思いたち、ちょっと調べてみました。 そこでまず出てきたのがこの『ゼイリブ』、公開されたのは1989(平成元)年、
【追悼:アニエス・ヴァルダ】フレームを変えれば現実は肯定できる、若い写真家とアニエス・ヴァルダの肯定の旅。『顔たち、ところどころ』
アニエス・ヴァルダが亡くなったことがあまりに話題にならないことに正直驚いています。そんなに知られてない監督だったんだねぇと。まあ、今どきヌーヴェル・ヴァーグの映画なんて観たことある人のほうが少数なのかもしれません。「映画
【追悼:アニエス・ヴァルダ】人生の断片を敷き詰めた自伝的映画『アニエスの浜辺』から見えるヴァルダの魅力と退屈さの深み。
2019年3月29日に亡くなった映画監督アニエス・ヴァルダ。私も大好きな映画監督の一人でした。 しかし、意外と日本では知られていないのか、VODで映画を観られるわけでもなく、レンタルDVDも限られた作品しかなく、DVD化
【電子書籍第2弾】アニエス・ヴァルダのアンチクライマックス:断片化されたドラマとドキュメンタリー
先月(2019年3月)、映画監督のアニエス・ヴァルダが亡くなりました。 ヌーヴェル・ヴァーグの監督(と言えるかどうかは議論があるかもしれませんが)の中では一番好きな監督と言ってもいいかもしれません。 そのアニエス・ヴァル
個が消失することの高揚感と神輿の不思議な力、映画『Mikoshi Guy 祭の男』
『Mikoshi Guy』というタイトルを見て何を思いますか?とにかくお神輿を担ぐのが好きな男?どうして英語?なのとか? 神輿って日本で暮らしていればほとんどの人が目にしたことがあるものだと思います。でも、実際に毎年お祭
死者を抱えることの意味、映画『盆唄』の「想起させる力」。
東日本大震災から8年が経ちました。毎年3月11日にはいろいろなことを考えます。今年もいろいろ思い出す中で、比較的最近見た映画『盆唄』のことを考えました。 東日本大震災の捉え方は人それぞれだと思います。ただ、直接の被害にあ
縄文“ブーム”は始まったばかり。『縄文にハマる人々』から見える縄文にハマったほうがいい理由。
今年2018年もいろいろなものが流行りました。まあもうほとんど思い出せませんが。 今年流行ったと言えるものの中で唯一、私がハマったのが「縄文」です。「え?縄文なんて流行った?」という人もいるかも知れない、というか多いとは